眼圧下降点眼薬 減量治療
※正常眼圧緑内障の方が適応の治療です

正常眼圧緑内障とは
緑内障の種類によって治療方法が異なります
緑内障には、いくつかの種類があります。当院はそのうち「正常眼圧緑内障」という緑内障に特化して治療しています。
正常眼圧緑内障とは、眼圧が正常値の範囲であっても、視神経が弱くなって緑内障が進行するものです。
緑内障の種類によって治療方法が異なるため、眼圧が高い緑内障か? 正常な眼圧の緑内障か? を区別、診断する必要があります。
眼圧の高い緑内障は、いったん眼圧が下がれば一安心です。ところが、眼圧が正常、または低いのに病気が進行する正常眼圧緑内障はとても厄介です。眼圧が正常なのになぜ視神経障害が起こるのか? その病態は未だ解明されていません。脆弱な視神経(もともと視神経が弱いこと)であることが、発症原因の一つと考えられています。
日本人に最も多いタイプの緑内障は正常眼圧緑内障で、国内の緑内障の70%が正常眼圧緑内障です。そのうちの半数の患者さんでは眼圧を下げても病気が進行し「失明」に近づいているという難しい病気です。
眼圧が正常であっても、さらに眼圧を下げることが治療の第一歩となります。元の眼圧(無治療時眼圧)よりも低い眼圧にすることによって、弱い視神経でも生き延びやすい環境をつくることが治療の目的です。
こうした眼圧を下げる基本的な治療に加えて、当院では視神経を守り再生を目指す「神経保護・再生治療」を行なって緑内障の進行を遅らせています。
眼圧下降点眼薬 減量治療とは
複数の治療を組み合わせた相乗効果
緑内障の治療は「眼圧下降点眼薬の治療を生涯継続する」ことが一般的ですが、クスリには副作用が伴います。眼の充血・ただれ・まぶた皮膚の色素沈着・心臓への負担など、この副作用に悩まされている方が多いため、当院では「眼圧下降点眼薬不要」の治療実現に長年取り組んできました。
医療技術や医療機器の進化によって、レーザー治療などを組み合わせた相乗効果によって、眼圧を下げる点眼薬を無くす、または1剤に減らすことができる治療が確立できました。

治療の特徴(メリット)
- 薬の副作用から解放される
- 通院回数が年1回に減る
※正常眼圧緑内障の方が適応の治療です
治療の流れ(治療期間は4~6か月です)
※治療期間や治療内容は、病状によって異なります
1 緑内障の検査と診察
他病院で緑内障と診断されている場合でも、再度必要な検査をさせていただきます。
2 SLTレーザー治療 <初診時の検査から1か月後>
検査から1か月間は従来の点眼を継続していただき、経過観察させていただきます。その後、レーザー照射によって房水の排出を促進する治療を行ないます。

この治療によって、眼圧下降点眼薬が1種類になる、もしくは眼圧下降点眼薬が不要になります。
3 (トラベクトーム治療) ※眼圧下降が思わしくない方の追加治療です
房水の排水を妨げている繊維柱帯を電気メスで切開して房水の排水を促進する治療を行ないます。2週間の間隔をあけて片眼ずつ治療します。
4 (毛様体レーザー治療) ※眼圧下降が思わしくない方の追加治療です
房水をつくっている毛様体にレーザーを照射して弱らせて、房水の産生を低下させます。房水が少なくなることで眼圧を下げる効果と、房水の排水を促進させる効果の双方が期待できる治療です。
5 眼圧下降点眼薬から解放されます <4~6か月後> ※当院の治療例です。目薬が不要になるかは症状によって異なります。
眼圧下降点眼薬から解放された後は、経過観察と継続のSLTレーザー治療を受けていただくために、年に一度だけ通院をお願いします。
眼圧下降点眼薬治療との費用比較(治療はすべて保険診療です)
眼圧下降点眼薬 | ① SLTレーザー | ② トラベクトーム | ③ 毛様体レーザー | |
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1割負担 | 約200,000円※20年間 ※片眼 | 約10,000円※片眼 | 約21,000円※片眼 | 約6,000円※片眼 |
3割負担 | 約600,000円※20年間 ※片眼 | 約30,000円※片眼 | 約63,000円※片眼 | 約18,000円※片眼 |
ご加入の生命保険の「手術給付金」から治療費が支払われる可能性があります。保険会社にお問い合わせの際に下記の治療名をお伝え下さい。
- ① 隅角光凝固術(SLTレーザー治療)コード:K273
- ② 流出路再建術(トラベクトーム治療)コード:K268
- ③ 毛様体光凝固術(毛様体レーザー治療)コード:K271